島の自然と暮らしのゆんぬ古写真展 vol.5 めぐる
展示にあたって

与論島は、自然の恵みを活かした暮らしを大切にしてきた島です。2020年より、地域の方や与論町教育委員会、地元NPO、資料館、研究者らが共に協力しあう協働プロジェクトとして、市民参加型「自然と暮らしを考えるゆんぬ古写真調査」プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、与論島の人たちが自然ととも生きてきた知恵や暮らし、自然の移り変わりを理解する歴史文化資料の収集と記録や、島の未来のあり方を考えるための対話の場づくり、教育教材開発、誰もが閲覧し、使用することのできるデジタルアーカイブの構築に取り組んでき ました。
第5回目になる写真展のテーマは「めぐる」。
今年度は、設立60周年の節目を迎えた一般社団法人 ヨロン島観光協会との共催で実施します。人とモノが交流する場としての「観光」を、地域の方々から提供いただいた写真や、観光協会所蔵の写真、昭和30年代に九学会連合の学術調査で来島された写真家の故 芳賀日出男氏より与論町教育委員会に寄贈された写真をもとに振り返ります。これらの経験と記憶に耳を傾けることは、生きる知恵を未来へ繋ぐことでもあります。収集された昭和30年代から現代までの写真を通して、島の自然や暮らしがどのように変化してきたのかを、ぜひ世代を超えて語り合う機会となれば幸いです。写真の中には、詳しくはいつの、何をしているものなのか、わからないものがたくさんあります。ぜひ、いろんな世代の方に見ていただき、情報提供いただければと願っています。
日 時 2026年2月5日(木)〜23日(月)
場 所 砂美地来館 〒891-9301
鹿児島県大島郡与論町茶花2045 【お問い合わせ先】
ゆんぬ古写真展事務局 yunnu2020[at]gmail.com
展示写真一覧(クリックすると説明をご覧いただけます)
空から見た1970年代の与論島
1970年代から与論島でサンゴ礁研究を続けてきた 地理学者・中井達郎氏が東海岸を中心とした浜辺 やサンゴ礁環境の貴重な写真データをゆんぬ古写真 デジタルアーカイブに寄贈しました。
本展では、その中から1970年代後半に島で行わ れていた小型遊覧飛行機観光に初めて乗った際に 撮影された写真を展示します。
上空から捉えた当時の与論島の姿をご覧ください。





海の観光の歴史をめぐる












陸の観光の歴史をめぐる














観光協会の歴史をめぐる












ゆんぬの記憶をつなぐ与論民俗村
島を巡る中で、与論民俗村を語らないわけにはいきません。島の南東、麦屋地区に位置する与論民俗村は、島の人々だけでなく、観光で与論島を訪れる多くの人にも親しまれてきました。
与論民俗村は、1966年(昭和41年)に「与論民具館」として開館しました。島の文化を伝える活動を行ってきた菊千代さんが、自宅に残されていた生活用具や民具を保存し、島の内外から資料を集めて展示したことが、その始まりです。
本展示では、こうした取り組みの歩みを振り返るとともに、現在の与論民俗村の姿を紹介します。










参考文献
1.菊千代・与論民具館『ユンヌ・物と暮らし 与論民具館案内』(日本観光文化研究所、1980年頃出版(本文記述より推定))
2.岡村隆「菊さん一家と民具館」(『あるくみるきく』122、日本観光文化研究所、1977年4月)
3.長澤和俊『与論島の民具
与論民具館収蔵民具解説目録』(1969年)
芳賀日出男コレクション
芳賀日出男(はが ひでお)民俗写真家。1921年満洲大連生まれ。
慶應義塾大学文学部に進学後、カメラクラブに入る。民俗学者折口信夫の講義をきっかけに民俗学に関心を持ち、日本や世界の祭り、民俗資料、民俗芸能などを中心に撮影する。芳賀は、1955年(昭和30年)、財界人だった渋沢敬三の呼びかけによる結成された学際的な共同研究プロジェクト「九学会連合(人類学、考古学、地理学などの学会が参加)」による奄美群島調査に同行し、民俗写真の撮影を担当した。現在、ご遺族が運営されている「芳賀日出男ライブラリー」では奄美群島の自治体・博物館に写真を無償で提供している。与論町からも相談したところ、昭和30年頃に与論島で撮影された民俗写真の提供を快諾いただいた。
本展では、2025年に芳賀ライブラリーから寄贈された作品の一部を展示します。











