島の自然と暮らしのゆんぬ古写真展vol.3 -働く-

展示にあたって

フライヤー

与論島は、自然の恵みを活かした暮らしを大切にしてきた島です。2020年より、地域の方や与論町教育委員会、地元NPO、資料館、研究者らとの協働の取り組みとして、市民参加型「自然と暮らしを考えるゆんぬ古写真調査」プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、与論島の人たちが自然ととも生きてきた記憶や知恵、声を、地域の歴史文化を物語る大切な資料として収集・記録し、未来へつなぐことを目的としています。そして、収集された資料をもとに、対話の場や、教育教材の開発、誰もが閲覧し、使用することのできるデジタルアーカイブの公開などに取り組んでいます。

第3回目になる古写真展のテーマは「働く」。
与論島では、海へ漁にも出かけ、畑でもよく働くことを「うんぱる・あいきゅん」と言います。与論島の暮らしにおいて、海と陸のつながりは自然環境としてだけではなく、人々の文化や世界観の基盤ともいえます。移り変わる時代の中で、人々はどのように自然と向き合い、島の暮らしを支えてきたのでしょうか。2023年5月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、社会経済活動が再び動き始めました。私たちは、どのような島でありたいかを問い直す時にあるのかもしれません。本展示が、島の未来に向けて「働くこと」の意味を考える機会になれば幸いです。

プロジェクトが立ち上がり、今年で4年目を迎えました。現在、地域の方や公民館、役場などから約5,000点の写真が集まってきました。収集された1950年代から現代までの写真資料を通して、島の自然や暮らしがどのように移り変わってきたのかを、世代を超えて語り合う機会となれば幸いです。写真の中には、詳しくはいつの、何をしているものなのか、わからないものがたくさんあります。ぜひ、いろんな世代の方に見ていただき、情報提供いただければと願っています。

本プロジェクトでは、写真やモノ資料、地域の方々の声を、与論島の歴史や文化をつむぐ未来への宝物としてとらえ、地域の方とともに記録し、受け継ぐ活動を続けていきます。古写真調査をとおして、島が歩んできた歴史や文化について一緒に語りませんか。

開催日:2024 年 2 月 15 日(木)〜2 月 29日(木)
場所:砂美地来館
主催「島の自然と暮らしのゆんぬ古写真調査」事務局
共催 与論町教育委員会、与論民俗村、NPO法人 海の再生ネットワークよろん、人間文化研究機構国立歴史民俗博物館「日本歴史文化知の構築と歴史文化 オープンサイエンス研究」、総合地球環境学研究所「LINKAGEプロジェクト」

本企画展は、次の研究助成を受けました。

  • 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館「日本歴史文化知の構築と歴史文化オープンサイエンス研究」
  • 人間文化研究機構総合地球環境学研究所 LINKAGE プロジェクト「陸と海をつなぐ水循環を軸としたマルチリソースの順応的ガバナンス:サンゴ礁島嶼系での展開」
  • 科研費基盤研究C「 漁具からみるサンゴ礁漁撈文化と生業経済の変容」(20K01219)

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